毎月、届いた請求書のPDFを開いて、金額と明細をExcelに打ち直す。うちに来る相談でいちばん多いのが、この「転記」の作業です。クラウドソーシングの案件データベースを見ても、転記・データ入力系の依頼は45日間で100件を超えていました。それだけ多くの人が、同じ作業に時間を使っています。
先週、この読み取り部分をツールにして公開しました。この記事では、実際にどれくらいの速さと精度で動くのか、どういう仕組みなのか、どこまでが限界なのかを、検証したままの数字で書きます。
実測: 請求書1枚が10秒ちょっとで表データになる
公開前の検証では、明細3行の請求書PDFを実際のブラウザからアップロードして、次の項目がすべて元の請求書と一致することを確認しました。
- 請求元・請求先・請求番号・支払期日などの基本項目
- 明細3行の品名・数量・単価・金額
- 合計金額(検証データでは207,900円)
- 和暦で書かれた日付の西暦への正規化
処理時間は1枚あたり10秒強。人が同じPDFをExcelに打ち直すと、確認を入れて数分はかかります。毎月30枚なら、それだけで1〜2時間の作業です。
仕組み: AIに「見せて」、構造を「強制」する
やっていることは2段階です。
まず、PDFや写真をそのままAI(Claude)に渡します。OCRで文字を拾ってから組み立てるのではなく、AIが書類全体を見て「これは請求書で、ここが明細表だ」と判断します。斜めに撮った写真や、フォーマットがバラバラの請求書に強いのはこのためです。
次に、返答を自由な文章ではなくJSONスキーマで縛ります。「品名・数量・単価・金額の列を持つ表で返せ」と構造を強制するので、返答のパース事故が起きません。ツールとして毎回安定して動くのは、この構造化出力の部分が効いています。
設計上のこだわりがもうひとつあります。アップロードされたファイルと読み取り結果は、サーバーに保存しません。変換処理に使ったら捨てます。請求書は他社の情報を含む書類なので、「保存しない」が営業文句ではなく設計そのものになっています。
限界も書いておきます
- 読み取り精度は書類の鮮明さに依存します。かすれた感熱紙のレシートや、極端に小さい文字は誤読が出ます
- 金額や数値は必ず原本と照合してください。AIの読み取りは速いですが、経理の最終確認を置き換えるものではありません
- 無料枠は月5回です。AIの処理には1回ごとに実費がかかるため、無制限にはできませんでした
試し方
- ツールのページを開く(登録・メールアドレス不要)
- 請求書・領収書・名簿などのPDFか写真をドロップする
- 読み取り結果を確認して、CSVダウンロードかExcel貼り付け用コピー
ツールはこちらで公開しています: AI転記ツール(無料・登録不要)
「毎月30枚の請求書をメールで受け取って、会計ソフトに入れるところまで」のような定型の流れは、取り込みから保存まで一本の自動処理にできます。このツールはその読み取り部分の実物です。試してみて、月5回では足りない量を抱えている方は、そのまま相談してください。
白米元気 | LLM Oops
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