この記事でできるようになること
Claude Code の Projects を自分のリポジトリに繋ぎ、夜に仕事を投げて朝に PR を受け取る、という使い方を一通り動かせるようになります。あわせて、クラウドで進む仕事と、手元の PC に残る仕事の線引きを、自分の環境に当てはめて決められるようになります。
対象は、生成AI でコードや文書を書かせているが、作業中は PC の前にいないと進まない、という一人運営や小さなチームの担当者です。手順は2026年10月11日に実際に動かしたものを、そのまま書いています。画面は変わることがあるので、最終確認の日付を目安にしてください。
Projects とは何か、何が変わったのか
Projects は、1本の会話に仕事を投げると、仕事ごとに「スレッド」が起きて並列に進み、終わると会話に報告してくる仕組みです。スレッドの実体はクラウドセッションで、GitHub のリポジトリを自分の branch に取り込んで作業し、必要なら PR を開きます。PC を閉じても止まらず、スマホからも進み具合を見られます。
土台のクラウドセッションは2026年9月23日に正式提供になり、Projects は9月17日にベータとして一部の Pro/Max に出た後、10月10日に順番待ちの全員へ招待が届きました。VM の追加料金は無く、プランの利用枠を消費します。Team と Enterprise はまだ対象外です。
それまでも Remote Control(手元の PC で動く Claude Code をスマホから操作する機能)はありましたが、PC が起きている間しか動きません。Projects で変わったのは、リポジトリの中で完結する仕事なら PC を閉じても進む点と、複数の仕事を同時に走らせて結果だけ受け取れる点です。
前提と準備
- Pro か Max のプラン。claude.ai/code の左に「プロジェクト」が出ていれば使えます
- コードを触るなら、github.com のリポジトリと Claude GitHub App。GitLab や Bitbucket は対象外です
- リポジトリの直下に CLAUDE.md(運用の決まり)があること。全スレッドが最初に読みます
私の場合は、Claude in Chrome の拡張を繋いで、手元の Claude Code に claude.ai の画面を操作させて設定しました。自分で画面を触っても同じです。
プロジェクトを作る手順
- claude.ai/code の「プロジェクト」の横の「+」から新規作成。名前とリポジトリ(コンテキストの「追加」からリポジトリを選ぶ)を入れる
- 設定の「一般」にある目標欄に、指示文を書く。ここが全スレッドの共通の前提になる
- 同じ画面でスレッドのモデルを選ぶ。既定は Opus で、文書にも「利用枠をいちばん速く減らす設定」と書いてある。私は Sonnet にした
- 設定の「環境」で、リポジトリとクラウド環境(ネットワークの許可範囲・環境変数・setup script)を選ぶ。手元の PC を使うスレッドには「ワークツリーを使う」をオンにする
作成の直後に、調整役が自分で調査のスレッドを1本走らせました。リポジトリを取り込んでテストを一通り回し、「失敗しているテストは作者の PC 前提の書き方が原因で、製品の不具合ではない」と報告が来ました。最初の100ドル分は利用枠に数えない、という表示も出ます。
指示文に書いたこと
スレッドは許可を聞かずに実行する auto モードで動きます。だから、やってよいことと、やってはいけないことを先に書いておく必要があります。私が目標欄に入れたのは次の内容です。
- やってよいこと: コードと文書の修正、テストの実行、記事の評価と書き直し、PR の作成
- やらないこと: 本番への配備、X や note や LINE への投稿や送信、外部サービスへの申し込み、価格の決定、ファイルの削除
- 作業の出口: 必ず新しい branch で作業し、PR を開いて止まる。main に直接 push しない
- 報告の形: 直したこと、確認した方法、残っていること、判断が要ること、の4点を短く
- 同時に動かすスレッドは2本まで。大きな変更は先に提案して返事を待つ
最初の仕事を投げてから PR が戻るまで
最初は小さな仕事にしました。制作実績のページで、秘密保持契約の案件の枠が灰色の空枠に見える、という指摘を直す作業です。会話に「この1件だけをスレッド1本で。配備はせず PR を開いて止まる」と書いて送りました。
依頼から約3分で PR が開きました。branch を切り、HTML を3行変え、375幅と1440幅のスクリーンショットを撮って PR に添付し、報告は指示した4点の形で返ってきました。クラウドの環境にブラウザが無くて動かせなかった検査については、「この環境では実行できなかった」と書いてありました。できなかったことを隠さないのは、auto モードで動かす上でいちばん大事な性質です。
PR の扱いは手元で決めました。差分と添付の画面を見て、手元で merge し、ブラウザの検査を回してから main へ push し、配備しました。依頼から本番の確認までが約15分です。
クラウドで進む仕事と、手元に残る仕事
Projects を入れても、全部がクラウドへ移るわけではありません。私の環境で線を引くと次のようになります。
| 仕事 | どこで動くか | 理由 |
|---|---|---|
| コードと文書の修正、テスト、記事の評価、PR | クラウド(Projects のスレッド) | リポジトリだけで完結する |
| 本番への配備 | 手元 | 本番の変更は人が押す決まりにしている |
| note や X への投稿、案件への応募 | 手元 | ログイン状態が PC にある。外部への送信は承認制 |
| 定時タスク(収集・通知・監視) | 手元 | PC のファイルと鍵を使う。定時の自動実行はクラウドにもあるが、最短1時間間隔 |
| Excel の操作と画面の録画 | 手元 | アプリが PC にある |
両方を1つのプロジェクトで扱えるのが Projects の良いところで、手元が要る仕事は「この作業は私の PC で」と頼むと、Remote Control 経由でその PC 上のスレッドになります(手元の Claude Code が 2.1.280 以上であること)。
利用枠と安全で注意した点
- 利用枠: 設定と最初のスレッドだけでも、週の上限がはっきり減ります。既定の Opus のままだとさらに速く減ります。スレッドのモデルを Sonnet にし、同時2本までにしています
- auto モード: 許可を聞かずに動くので、指示文に「やらないこと」を先に書く。main への直接 push を禁じ、PR で止める
- 鍵: .env のような秘密はコミットしていないので VM には渡りません。クラウド環境の環境変数は、その環境を使う人に見えるので鍵を置かない。必要なら Network secrets(Pro/Max)に置く。ただし生成AI の API 自体には付かない仕様です
- 共有: Pro/Max のセッション共有は Private か Public だけ。Public にすると claude.ai にログインした誰でも見られる
- 無関係な赤いチェック: リポジトリに昔の配備サービスの連携が残っていると、PR のたびに失敗の印が付く。Projects の問題ではないので、連携を外す
次に手を動かすなら
小さな修正を1件、スレッド1本で投げて、PR と報告の形を自分の目で確かめるところから始めるのが早いです。そのあとで、記事の見直しのような「数が多くて独立している仕事」を8〜10本ずつスレッドに分けると、PC を閉じている間に進む分がはっきり見えます。
この記事の作業環境は、手元の Windows PC の定時タスクと、クラウドの Projects と、スマホの Remote Control の3つで回しています。どれを使うかは、その仕事が PC の中の物(鍵・ログイン・アプリ)を必要とするかどうかで決めています。

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