(比較)GAS vs Python vs ノーコード:あなたはどれで始める?

— 具体的な金額感・超初心者むけ 1→10 手順つき

0. ざっくり比較(30秒で全体像)

パスこんな人に強み気をつける点
GAS(Google Apps Script)Googleアカウントで完結したい/Sheets・Gmailと直結したい配布が楽・定時実行が簡単(トリガー)・学習コスト低い実行時間や外部ライブラリの制限。大量・長時間処理は苦手
Python(参考)将来拡張したい/APIやDBと自由に連携したいライブラリ豊富・本格運用向き環境構築・運用(サーバ/スケジューラ)が必要
ノーコード(Make/Zapier等)(参考)最短で“動く体験”が欲しいGUIで速い・連携先が多いサービス依存&月額課金、複雑化で破綻しやすい

1. “お金の話”を先に:どのくらいかかるの?

OpenAI APIはトークン課金(入力と出力で単価が違う)。代表モデルの公式価格は次のとおり(抜粋)。OpenAI

  • GPT-5 … 入力 $1.25 / 100万tokens、出力 $10 / 100万tokens
  • GPT-5 mini … 入力 $0.25 / 100万、出力 $2 / 100万
  • GPT-5 nano … 入力 $0.05 / 100万、出力 $0.4 / 100万
  • 旧来の GPT-4o / 4o-mini などの価格も公式に掲載あり。OpenAI

月額上限(予算)はダッシュボードで設定できます(“Billing settings”)。APIの課金はChatGPTサブスクと別です。

かんたん試算(AIニュース要約の例)

前提:1本の記事を要約するたびに

  • 入力:記事本文など 1,500 tokens
  • 出力:要約 200 tokens
  • モデル:GPT-5 mini(安くて速い)

計算:

  • 入力:1,500 × (0.25ドル / 1,000,000) = $0.000375
  • 出力:200 × (2ドル / 1,000,000) = $0.0004
  • 合計 $0.000775 / 1本
  • 1日3本 × 30日 ≒ $0.07 / 月(※超概算)

※トークンは文字の“かけら”。英語の目安は100 tokens ≈ 75語。日本語も「長文を丸ごと投げると増える、短く要点抽出で減る」という感覚でOK。詳しくはトークンの解説&カウンタを参照。OpenAI Help CenterOpenAI Platform
バッチAPIを使うと入出力とも最大50%安くできるケースあり(非同期でまとめ投げ)。OpenAI
※円換算は日々変わるので、まずはドルで感覚
を掴む→必要なら為替で換算。


2. まず理解:ChatGPTとAPIは何が違う?

  • ChatGPT(アプリ) … 人が画面で対話してその場で完結
  • OpenAI APIプログラムから呼び出す入口。毎朝の要約メールのような“自動で手が動く”ことができる

入口としてはResponses APIを使うのがシンプル。旧Chat Completionsの簡単さ+ツール利用などが統合された“新しい標準”です。OpenAI


3. 超初心者むけ:1→10で最短セットアップ(GAS版)

わたしはGASで実装しました。下記をコピペでChatGPTに「やりたい!」と伝えるだけで詳細な手順は確認していけます。「初心者なので1つずつ丁寧に」を加えることで、より丁寧な解説が入ってきます。

1) OpenAIに登録 → APIキーを発行
2) Billingで月額上限と通知を設定(安心)
3) Playgroundで要約プロンプトを試し、出力の“長さ・ノリ”を掴む
4) Googleスプレッドシートを作成(列は必要な項目を設定)
5) スプレッドシート → 拡張機能 → Apps Scriptを開く
6) スクリプトプロパティOPENAI_API_KEY を保存(直書きしない)
7) 最小コードでResponses APIを叩いて“Hello, API”
8) 成功したら、シートに書き込む処理を足す(appendRow)
9) 時間主導トリガーを設定(毎朝7時など)
10) エラー時に軽いリトライログ月1回のコスト点検を追加

“Hello, API” の最小コード(GAS)

function helloOpenAI() {
  const key = PropertiesService.getScriptProperties().getProperty('OPENAI_API_KEY');
  const url = 'https://api.openai.com/v1/responses';
  const payload = {
    model: 'gpt-5-mini',                            // まずは安価モデルから
    input: '次の本文を150字で要約:AIは……',            // 出力の長さは明示
    // max_output_tokens: 180,                      // 出力上限でコスト制御(任意)
  };
  const res = UrlFetchApp.fetch(url, {
    method: 'post',
    contentType: 'application/json',
    headers: { Authorization: 'Bearer ' + key },
    payload: JSON.stringify(payload),
    muteHttpExceptions: true
  });
  const json = JSON.parse(res.getContentText());
  Logger.log(json.output_text || res.getContentText());
}

つまずき回避:エラーコードが出たら、「ChatGPTに相談!」がBest。


4. GASを選んだ個人的な理由(=初心者に優しい)

  • Sheets/Gmailと秒で繋がる(導入の壁が低い)
  • 配布が簡単(シートごと共有で動かせる)
  • 定時実行がGUIでポチポチ設定できる
  • 学んだことがそのまま日々の仕事に効く

正直、最初は用語もほぼゼロ知識。それでも、Playgroundで形を見て → コードに置き換えるの繰り返しで、ここまで来られました。ふわっと聞いても出力例を見れば形になります。


5. Pythonとノーコード(参考

Python(未検証の参考)

  • 向き:将来拡張、APIやDBの多段連携、がっつり加工
  • ハードル:環境構築(venv/.env)、運用(cron/ログ/鍵管理)
  • 最小の雰囲気
# pip install openai python-dotenv
from openai import OpenAI
from dotenv import load_dotenv; load_dotenv()
client = OpenAI()
resp = client.responses.create(model="gpt-5-mini", input="150字で要約:...")
print(resp.output_text)
  • 公式のモデル・API解説は都度ここを見るのが確実。OpenAI Platform+1

ノーコード(未検証の参考)

  • 向き:まずは“動く体験”を当日中に得たい
  • ハードル:サービス月額・ベンダー依存、複雑化で破綻しやすい
  • 基本の流れ:トリガ(時刻/RSS)→ OpenAI要約 → Gmail/Slack

6. 実運用で増えがちな“見えないコスト”も先読み

  • 長文まる投げは入力トークンが膨らむ → まずは要点抽出→二段要約
  • 出力上限max_output_tokens)で暴走防止
  • 繰り返し使う長い指示は共通化(同じ内容を何度も送らない設計)
  • 失敗に強く:軽いリトライ+簡易ログ。止まったとき原因が見える

料金・モデルの“最新”は公式ページが正です(変わることがあります)。OpenAIOpenAI Platform


7. よくある質問(初心者むけ)

Q1. ChatGPT(アプリ)の有料プランとAPI、どっちを払えば?
A. 別会計です。APIはAPIで従量課金。アプリのPlus/Teamとは別。OpenAI

Q2. いくらで始めれば安全?
A. まずは安価なモデル(GPT-5 mini等)月額上限を設定。Playgroundで出力を見てからコード化。テスト時は旧モデルで動作確認がおすすめ。OpenAI

Q3. トークンって結局なに?
A. 文章を分解した“単位”。英語の目安は100 tokens ≈ 75語。詳しくは解説&トークナイザーで実測を。OpenAI Help CenterOpenAI Platform


8. まとめ

  • 0からでもGASなら“今日中に動く”
  • お金はトークン課金だけど、短く頼む+上限設定で怖くない。
  • バージョンはいつでも変更可。用途で使い分けが大事。
  • まずはPlaygroundで出力の形を見てGASの最小コードに置き換える
  • Python/ノーコードは参考情報。最初はGASで成功体験を取ってからでOK。


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